去る6月21日(日)の夕方、日本各地で、太陽が月に隠される部分日食が見られました。平塚で日食が見られたのは2019年12月26日以来、およそ半年ぶり。とはいえ、そのときは平塚市上空は厚い雲に覆われ、ほとんど観察することはできませんでした。2019年は1月6日にも日食が起きましたが、こちらも天気に恵まれず…。
今回も、梅雨時ということもあって、やはり天気に悩まされました。新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、博物館は開館はしていたものの当初予定していた「星を見る会」は中止せざるをえませんでした。当日、屋上では藤井学芸員が中継を試みましたが、太陽はなかなか雲間から顔を出してくれませんでした。(なお、塚田学芸員はウェザーニューズ社が放送するウェザーニュースLiVEの日食特番に出演していました。)
中継は博物館の屋上に仮スタジオを作り、望遠鏡やカメラ、ものづくりエイターで作ったピンホール投影機などを並べ、それぞれの装置で捉えた太陽像を紹介する予定でした。しかし太陽は雲の中だったので、中継機材を調整しながらカメラの露出を変えなければならず、中継を安定して行うことができませんでした。見ていただいた方にはご迷惑をおかけしました。
短い間ですが、中継中に雲の向こうから太陽が姿を見せてくれました。次の画像は、望遠レンズで見た欠け始めの様子です。丸い太陽の下が、ちょっとだけ月にかじられていますね。光の量を減らすフィルターを通して撮影したため、赤い色になっています。
こちらは日食開始から20分後の様子です。先ほどより大きく太陽が欠けているのがわかりますね。このあと次第に雲が厚くなり、残念ながら最も欠けたときは捉えることができませんでした。
市内でも日食が観察できたところがあったようです。当館のワーキンググループのひとつ、天体観察会の会員である田中匠さんは自宅から日食の撮影に成功、画像を提供してくれました。雲越しではあるものの、欠けた太陽がしっかりと写っています。素晴らしいですね!
次に平塚で日食が見えるのは2030年6月1日。なんと10年間、平塚では日食が見られないのです。なお、このときは北海道で金環日食が見られます。今回、残念ながら日食を見ることができなかった人は、「2030年6月1日」という日付をしっかりと覚えておいてくださいね。